2012年04月05日

20周年の結婚記念日(2012年3月22日)

この日はいい気分で過ごしたものの、すぐにまた、暗い気分の日々に変わり、記録する気力がなかった。

でも、せっかくの節目を、夫婦水入らずで過ごし、二人きりだった14年間の幸せだった日々を思い出し、また、将来への微かな希望の光(幻だったかもしれないけれど)を見出だしたことは、記録しておきたい。

結婚記念日を挟んで、家族3人で旅行しようと言う話も出たのだけれど、ディズニーリゾートの悪夢を思い出すと、せっかくの記念日に同じような目に遭っては敵わないと断念した。

二人きりの時には、喧嘩しながらもよく旅行した。今から考えると、夫が不足の事態には弱く、すぐパニクるのは当時から変わっていない。変わったのは、パニクる人の数が増えたこと。そして、パニックに付き合って必要以上にウロついたりすると、小さいほうのパニックさんの扱いに困るようになったこと。

予定外の事態になったとき、大人一人のパニックには対応できたけれど、幼児と大人、それぞれの言い分による別々のパニックのステレオ放送には、いくら私でも耐えられない。毎週末のちょっとしたお出掛けですら、プチパニックの連続なのだ。

というわけで、当日は、無理矢理夫に有給をとらせて、以前、ランチ会でいったことのあるお店で、二人きりの贅沢ランチをすることにした。

場所は、名城線市役所駅から少し歩いて、ウィルあいちの隣にある、「アンティキ」というイタリアン。私たちはイタリアンが大好き。行ったことがあるから、味も雰囲気もすごくいいとわかっているお店だから。

イタリア料理 アンティキ
[個室のあるイタリア料理]
イタリア料理 アンティキ
地下鉄名城・名港線市役所駅 2番出口 徒歩7分
〒461-0016 愛知県名古屋市東区上竪杉町25(地図
ぐるなびで イタリア料理 アンティキ の詳細情報を見る
※2012年4月6日現在の情報です
ぐるなびぐるなび


素材を活かした、シンプルな味付けの、素晴らしいお料理が、少しずつ数多く出てくる。前菜の盛り合わせや、ドルチェの盛り合わせは、一幅の絵のような美しさ。

アミューズ、前菜は冷たい盛り合わせと温かい一品の二種類、パスタにメインにドルチェ、大満足だった。生から調理したホワイトアスパラガスは感動ものだった(食べたことがなかったから)。バブルの頃なら、こんな料理、よほどお金を積まないと食べられなかったと思う。

今回は我が家としてはかなりリッチに5,000円のコースだった。

ゆったり2時間半くらいかけて、高級ホテルだったらこうかな(あくまで想像)?というサービスで、最後はシェフがお見送り。超リッチな気分を味わえた。料理の味は、言うまでもなく。

家を出てから家に戻るまで、なんと一度も口論をしなかった。夫の不可解な言動に私が文句を言うのは、昔も今までも今日も同じ。でも、夫は穏やか。私の文句を適度にいなし(行動は変えない点に変わりはない)、また会話に戻る。

そんな感じ。

夫は、今の仕事に対する姿勢について話してくれた。会社の方針転換を目指しているらしい。無理だと思うんだけどね。一応、上場企業で規模も大きい会社の弱小営業所がキャンキャン言っても。そのために毎晩遅くまで、年俸制という給与体系の名の元、手当てのつかない残業をして、家族を犠牲にして、自分も病みかねずって、そんな価値あるのかなぁと思うけど。黙って聞いた。

私の考えていることも話した。
今まで、子育てと遣り甲斐のある仕事で両立する方法を探ってきた、その話は何度もしたけど、夫は自分が協力しないと実現しないことかどうかも考えることなく聞き流してきたことも。
やはり、夫は記憶にないらしい。14年間ずっと悩んで相談していたのは、私の一人芝居だった。

それは過去のことなので取り戻せない。だから、これからはどうしたいか、という話をした。

Amiが育てにくくて、誰かと気軽に話せる場所がほしいと思っていた。そういう場所を作りたい。子育て中の人を中心に、介護、障害を持つ人やその世話をする人、悩みごとがある人、などが何となく集まれる場所を作りたい。運営費がかかるから、そこに集まってくる人たちができる仕事で、何か事業ができるといい。

実はこの話も、断片的にはずっとしてきたのだ。Amiの育てにくさに悩んでも、周りに子どもが少なくて分かち合う相手がいない。実親とは縁が切れているので相談する相手もない。夫は毎日帰りが遅い(朝は8時過ぎに出て夜は22時半)。アスペルガーがわかってからのことではない。

ところが、話を始めるとすぐ、「お金はどうする(怒)(準備できっこない)?」「儲けが出るわけない(怒)」「どのくらいの売り上げで、客単価はどうするの?」いきなり具体的な話を持ち出して、具体的な数字で答えられないからと、徹底的に潰しにかかる。

もちろん、私もまったく訳もわからずそんな話をしたわけではない。コミュニティーの運営だけを考えてもよかった。でも、それでNPOなどにしてしまうと、いろいろと制約も出てくるだろうし、どこからもお金を出してもらわずに運営できるようにした方がいいということで営利事業のことも考えにいれようとしたのだ。
更に、私は一応、個人事業主で、毎年、青色申告もしている。つまり、利益を出すということがどういうことか、人件費と原材料費、経費などと売り上げのバランスをとらないと、事業は成り立たないなんてことは百も承知。もっとも自分自身の仕事は、ライターなので仕入れのない実に簡単な決算ではあるけれど。

とはいえ、ただ「できたらいいなぁ」と言っただけで、「できない、無理、甘い」を連発され、口論になっておしまいということが続いていた。夫にとっは、本当はそんな話は聞きたくなかっただけなのだろう。

今回も、まるで今、はじめて聞いたような顔をしていた。

それでも、一応ちゃんと耳を傾けてくれ、「いいんじゃない」と言ってくれた。「そういう場所があって、仕事もできるなら、Amiもいざとなれば、そこで何かできるだろうし」という話もできた。

出てきた料理の話も、お店の接遇へのよい評価も、たくさん話した。

今回、店を私がわかっているところに指定したのにも訳がある。私も夫も新しい店を開拓するのが大好きなのだけど。

夫は、店や料理にケチをつけ始めるとキリがない。料理の味自体には拘らないけれど、店員の態度やミスに厳しい。一つ気になることがあると、ずーっとそのことに引きずられて、ずっと文句を言い続ける。高い店だとなおさら。その文句はだんだんエスカレートして、「違う店にすればよかった」となり、なんだか一緒に店を決めた、私が悪いことになっているのが、昔からのパターンだった。

私は飲食店にはよく鼻が利き、滅多なことでははずさない。普段の自分の身の丈にあった店であれば。夫はそれも知っているし、自分で決めることができない人でもあるので、私が決めることが多い。それでも、料理はいいけど、とか、結構文句を言うのだ。私は、リーズナブルな店に完璧を求めるのはナンセンスだと思うので、飲食店は味がよくて清潔なら、よほどのことがなければ満足。できれば不満な点はサラッと話題にするだけで済ませたいのだ。

高級店であっても、完璧なんて無理だし、自分の求める基準に合うサービスが受けられるとは限らないのは当然だから、多少の不満はあっても、他のいいところに目を向けたい。料理や楽しい会話に集中したいのだが、夫にはそれができない。

理由はもう一つ。場所がはっきりわかって、迷いなく誘導しないと、夫の機嫌が悪くなるのだ。

一度立ち止まって、方向を確認しようとしたが最後、オロオロして「どうする?どうする?」を繰り返したり、何の根拠もなく勝手な方向へ歩き出してしまう(大抵はいちばんまずい方向だったとあとでわかる)。これは、旅先では今までは頻度が減っていた。特に海外だとほとんどゼロ。名古屋市内でよく発生する。「自分でなんとかできるかもしれない」余地がある思うとダメなのだ。

夫は実は強烈な方向音痴。

道案内で渡れとは言われていない、大きな橋を、勝手に渡ってしまう。普通、そのくらいの橋があったら、なにか道案内する人はコメントするはず。だから、説明にない大きな橋が出てきた時点で道を間違えたことに気づかないといけないのに……。それでも、夫にとってそれは、道案内が悪いことになっている。

と、今となっては、アスペルガーからくるものと思われるトラブル回避と言うべき対策をした上での店の選択だった。

これだけ気を使って場所を選んだにも関わらず、駅から5分の道のりでも、私が迷ったそぶりを見せなかったにも関わらず、夫は3回も違う方向へ勝手に歩いていこうとした。もちろん、予め地図は見せていたのに。

それでも、その日は私が文句を言うことはあっても、夫がキレることはなかった。こんな平和な日は、妊娠がわかってから6年以上経って初めてだったかもしれない。妊娠前の楽しかった日々を思い出した。

こんな日がまいにちでなくても、たまにあるなら、なんとかなる。病院へ行くとも言ってくれたし、結婚を続けられるかもしれない。そんな風に思った日だった。

ただ、一つ、事実としては些細なことだったけれど、私の精神状態に大きな問題を感じた出来事があった。

目的地の地下鉄を出るとき、改札で電子マネーmanacaを出すのにホンのわずか手間取った。夫が気づかず先に改札を抜けてしまって、私は一瞬、「あ、せっかくの日なのに、初っぱなから怒られる」と心の中で身を縮めてしまったのだ。そして、なにも言わなかった夫に、心からホッとした。

私はこの何年か、こんな風に萎縮してたんだ、と気づいた。

妊娠前であれば、それがいいことかどうかは別として、
「ちょっと、私が出られないのに、先にどんどん行かないでよ!私のペースも考えて」
と言って、夫も、
「ごめん、ごめん。怒らないでよ〜」
で済んでいたケースで、実際、このときも、私が文句を言わなかっただけで、それ以外は同じように問題はなかった。

こんな些細なことで身構える生活って……。

大きく見える(見たい)希望の光と、小さな(実は大きいかもしれない)不安を抱きながら、その日は穏やかに終わった。

その後、2週間経った今は、これが結婚記念日の良い想い出の最後のものになるかもしれないと思っている。
夫はまだ、病院を予約していない。
posted by プルーン at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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